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TUNEのベースの内蔵プリアンプ [趣味]

1980年代に一世を風靡したTUNEのベースTBシリーズ。
近年にヤフオクなどで中古モデルをいくつか手に入れたのだが、どうも内蔵プリアンプからの音が残念なのだ。
この内蔵プリアンプはTUNE純正のTB-05Bという型式で、電池の持ちは良いのだがトーンの効きがちょっと変なのと
無音時のノイズの多さが目立つのが残念なところ。

01_取り外したアクティブコントロール基板(オモテ).jpg02_取り外したアクティブコントロール基板.jpg

案外に部品が多く載った基板ですね。OPアンプは2回路のLF442を3個使用しています。それにしても抵抗器とコンデンサの数が半端ないです。2 Band EQにしては複雑な回路です。きっと何か凝ったことでもやっているのかもしれません。
ただしノイズ的にはマイナス要素だと思うのですが・・・。ちなみに抵抗器はすべて炭素皮膜抵抗器です。

色々なモデルに搭載されてきた内蔵プリアンプTB-05Bですが、スペックは BASS +16dB/-6dB @90Hz、TREBLE +18dB/-6dB @5.5kHz だそうです。

そこで最近になってポケット型のオシロスコープ、DSO Quadなるものを手に入れたので、色々と調べてみることにした。
その前に、まずこのDSO Quad、標準のオシロスコープの他にサードパーティーアプリによって最大で3つまで機能を追加できるスグレモノなのだ。
しかも周波数特性を測定できるサードパーティアプリを作成した外国人さんがいらっしゃるので、早速ダウンロードしてインストールしちゃいました。

では早速ですが、とりあえず測定してみました。-20dB基準


1. トーン(BASS/TREBLE)フラット
FREQ008.png

グラフの見方ですが、縦軸が音声信号のレベル、そして横軸が周波数を表しています。そしてライムグリーンの曲線が出力レベル、そしてイエローの曲線が入力に対する出力の位相変位を表しています。

下の方(低域)はとても良く伸びています。10Hzまでほぼフラット。一方、上の方(高域)はやや詰まり気味ですかね。10kHzよりも手前から下がり始めています。意図的に20kHzのカットオフが施されているような特性です。

さて、ちなみに位相特性の曲線ですが・・・。
これはどう見ても極性が上下で反転していますねw 音には影響がないとは言え、見てしまうと気になって仕方がありませんなー。


2. BASS=最小、TREBLE=フラット
FREQ009.png

BASSを最小に絞ってみました。
2kHzくらいから徐々に下がり始め、40Hzくらいでほぼ下がり切っています。カット量は最大で-6dBほどでしょうか。
うーん、2kHzから下がり始めるのはどうなんでしょう、ベースという楽器にしては高いような気もいたします。
そしてカット量も最大で-6dBはやや控えめに感じます。


3. BASS=最大、TREBLE=フラット
FREQ010.png

BASSを最大に上げてみました。
1kHzくらいから徐々に上がり始め、20Hzあたりでほぼ上がり切っています。ブースト量は最大で+13dBほどのようです。
カットとブーストの特性は上下対称ではありませんね。部品が多いのはこのせい?


4. BASS=フラット、TREBLE=最小
FREQ011.png

TREBLEを最小に絞ってみました。
100Hz手前から徐々に下がり始め、1kHzあたりで下がり切っています。カット量は最大で-5dBでしょうか。
よく見ると、100Hz手前までの低域も全体的に-1~2dBほど下がっています。影響していますね。
でも100Hz手前から効くのってTREBLEとしては低すぎませんか?


5. BASS=フラット、TREBLE=最大
FREQ012.png

TREBLEを最大に上げてみました。
100Hz手前から徐々に上がり始め、3kHzあたりで上がり切り、再び徐々に下がっています。ブースト量は最大で+14dBでしょうか。
TREBLEのブースト・カットも上下対称ではないですね。


6. BASS=最小、TREBLE=最小
FREQ013.png

BASSとTREBLEの両方を最小に絞ってみました。
MIDが山なりに凸になると思いきや・・・予想に反してほぼ完全にフラットになってしましました。これは全体的な音量が下がるだけでトーンとしては無意味ですなw


7. BASS=最大、TREBLE=最大
FREQ014.png

BASSとTREBLEの両方を最大に上げてみました。
MIDが凹むかそれとも前例に倣ってフラットか?!
若干MIDが凹みましたがフラットに近い具合ですね。ドンシャリ狙いにBASS/TREBLE両方のフルテンは思ったほど使えませんなー。



今回はDSO Quadによって、TB-05Bのスペックから簡単には読み取れない特性が見られました。特にBASSとTREBLEとで変化する周波数の領域が大きくオーバーラップする上に、ブースト・カットで上下非対称という点です。とにかく癖の強いプリアンプでした。
実はTB-05Bから載せ換えるオリジナルの内蔵プリアンプを製作中です。素直なトーン変化特性の実現と、できるだけ部品点数を減らしてノイズを改善することが目的です。既に回路設計は済んでいて、試作と評価が進行中です。
その模様と続きについてはまた次の更新で・・・。
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